カード業界を揺るがす「ゆうちょ」

カード業界を揺るがす「ゆうちょ」

郵政民営化で2007年10月に発足したゆうちよ銀行は、さまざまな分野の事業に新規参入する方針を固めている。その目玉になりそうなのが、独自クレジットカードの発行とカードローン業務への参入である。中でもクレジットカードでは大きな変化がある。

 

郵貯時代では、郵貯キャッシュカードとの一体型のクレジットカードを発行していた。クレディセゾンやニコス、セントラルファイナンスなどと提携して合計約900万枚以上の発行枚数を誇ってきたが、ゆうちよ銀行では、それらを全廃し、新しいクレジットカードを発行するという。

 

独自発行を決断した理由は、手数料や顧客情報などがゆうちよ銀行に入ってくるようにするためだ。他カード会社と提携して発行すると、莫大な手数料をとられるうえに購買情報などがすべて相手側に渡ってしまう。そのロスをなくし、自前で購買情報を活用してマーケティングに役立てようと、独白発行を決めたという。

 

一方、カードの与信審査や顧客向けの案内、プロセシングなど、いわゆるバックヤード業務は三井住友カードとJCBに委託して展開する。カード募集はビザ、マスターブランドは07年内に開始し、JCBは08年4月に募集を始める予定だ。

 

カードローン業務の方は、民間カード会社並みの金利水準15%から18%に抑え、ゆうちよ銀行などのATMを通じて提供する予定だ。運用資金の7割を国債で運用しているゆうちよ銀行だが、その一部を個人向け融資に向けることで、収益力を強化するのが狙いだ。

 

しかし、新クレジットカード発行については、他のカード会社から猛烈な反発が出ている。とくに郵貯一体型カードの4割以上を発行していたクレディセゾンは経営的にも打撃となるため強く反発しており、07年8月末で郵貯一体型カードの申込受付を終了し、同社の他のカードへの切り替えを会員に促すダイレクトメールを出した。

 

これまでに発行した郵貯一体型カードは現在の有効期限まで利用可能だが、更新はできない。オーエムシーカードもゆうちよ銀行が本体発行するため、07年9月から新規の申込受付を停止した。セントラルファイナンスは9月末で、郵貯一体型カードの新規発行を終了した。各社のこうした措置は自社会員がゆうちよ銀行へ流出するのを防ぐためである。